パタンナーに向いてない?経験者が本音を明かす。
私はアパレル業界のパタンナーという職種に約3年就いておりました。業務に慣れてくると「パタンナーに向いてないのでは?」と疑問をもつようになってきました。 パタンナーという仕事は主にデザイナーのイメージした服を形にしていく仕事であり、服を作る上で欠かせない存在です。

 

しかし、ファッションの世界ではデザイナーが表立っており、このパタンナーが脚光を浴びるといったことはまずありえません。 私はこの縁の下の力持ちであるパタンナーに大きな魅力を感じ、学生時代からパタンナーになることを目標にしておりました。

 

晴れて某アパレル会社のパタンナーとして入社することができ、パタンナー人生を始めることになります。 ただ、現実は古い体制が根強いので、昔の寿司職人のように、見て学ぶや、先輩に師事するという文化がかなりパタンナーにはあります。

 

そのため、パタンナーなれる前に挫折してしまうか?なってもオーバーワーク、給与が安いため苦しんでいる方が非常に多い職業です。

パタンナーは仕事のなかで成長するには時間がかかる

パタンナーは仕事のなかで成長するには時間がかかる
私は入社してから1年ほどは先輩のサポート業務をしていました。サポートといっても、服作りに関してではありません。新しい企画の参考に使用した服を専用の棚に戻したり、試作品の採寸や検品をしたり、 アイロンがけやプリンタ用紙などの備品の発注、部屋の掃除などです。

 

私は、入社半年後くらいに、その先輩に「いつから服作りの業務を任せてもらえるのでしょうか?」と聞いたことがあります。先輩の返事は「チーフの方針だからわからない。私のときなんて1年半は雑用やらされたんだからね」というものでした。

 

ファッション業界の技術職には、下積みが美徳。苦労をしてこそやりたい仕事ができるという風潮が大変根強く残っています。

 

私は1年という下積み期間で服作りに携わることができました。もちろん先輩のサポート業務がなくなったわけではございません。初めて任された服の仕事は仕様書の作成という作業でした。

 

簡単に言えば、服をどのように縫うか、何の材料を使うかなどの説明書作成していました。仕様書を書くということは服の作り方を知っていなければなりませんが、実際はフォーマット化されています。そのため、多くのアパレル会社で仕様書は専門的な知識のない方でも作成するような体制がとられています。

 

結果、私は下積みからまだ抜け出せてなかったのです。結局、そこから10か月ほどはそういった業務を行い、ある意味決まりきった仕事を淡々と行っていました。パタンナーと言えるようになったのは実はこれ以降からと言っても過言ではありません。

 

約2年後にようやく服を作るというのが仕事として与えられるようになりました。この期間を短いと感じるかどうかは人によりますが、私には「服作りの仕事」というニンジンをぶら下げられ2年間奴隷のように働いていたと少しばかり感じてしまいます。

 

パタンナーは給与が安すぎる!

パタンナーは給与が安すぎる!
アパレル業界の給料が安いことはとても有名ですが、背景はこの一つに限ります。「ファストファッションに立ち向かうには価格で近づけるしかない」ということです。ただ、安いといっても服をイチから作るとなるとどうしても時間がかかってしまいます。

 

しかし、流行に合わせて短期間で、沢山の商品を作るとなると、せっせと夜な夜な人が作業する他ないのです。「ファッションが好きでこの業界に来たのでしょ?」という認識が先輩方には染み付いているので、仕事でお金を稼ぐという考え方は絶対的に捨てるべきです。

 

残業代が支給されるのは、本当に一部の大きなアパレル企業だけで、一般的なメーカーではボーナスはもちろん、有給も無いに等しい労働環境です。その環境下で平均11時間は働くため、「本当に好きなことなのか?」と疑問をもつと、生きている意味を考え始める人も少なくありません。

 

実際、周りのパタンナーたちも、周りの友人と比較した時に収入が劣っているという感覚を強く感じ、他業種に転職をする方もたくさんいました。

 

パタンナーに向いてないが、キャリアアップ転職が難しい

パタンナーに向いてないが、キャリアアップ転職が難しい
まず、パタンナーの募集要項には キャリア5年以上という条件が課せられています。短く見積もっても3年以上パタンナー実績がなければ応募が出来ません。

 

そして、企業がパタンナーを採用する時は面接だけではなく、必ず実技試験というものがあります。実技試験では「服のデザイン画が出てきて、これを制限時間内に作って下さい」といった内容が一般的ですが、どんなアイテムが出てくるか分かりません。

 

企業によって得意なアイテムがあるので・・・例えば全く実務で作ってこなかったようなジャケットが出題されれば、パタンナー経験があれど作れないこともしばしばあります。こういった転職のハードルの高さから、 「パタンナーに向いてない」と感じても転職を考えないことが多くります。

 

そして、現状維持でズルズル働いてしまうか、転職活動はするが、希望する仕事は不採用が続くことになります。つまり、内定しやすいところに行ってしまうという流れが出来てしまいます。

 

そのため、パタンナーとして本当にキャリアアップ転職をするなら、少なくとも実務以外でも新しいクリエイションに精を出し、いろんな種類の服を作れなければなりません。実働11時間勤務のあとに、他のモノづくりをし続けて、休みの日も作ることを怠らない。

 

そういった姿勢を続けることで、いざ転職の時に大きなブランドに就ける可能性が高まります。しかし、そこまでの精神力を安い給与と天秤にかけても保ち続けられる方がどれだけいるのでしょうか。

 

パタンナーを続けるべきか?やめるべきか?

パタンナーを続けるべきか?やめるべきか?
私は大学卒業後に服飾の専門学校に1年通い、パタンナーとして働き始めました。前述したように、約2年は下積みのようなもので、実務はそこから1年程度のパタンナー経験ですが、その時点で26歳でした。

 

転職の募集要項によくあるキャリア5年以上という条件をクリアするためには、あと2年はかかり、その時には28歳という状況です。そのままパタンナーとして続けるのであれば、根気強く熱心に頑張っていけばいいでしょう。

 

しかし、時代が大きく変わり物事が自動化していくと考えた時に、パタンナーの業務はおそらく自動化出来る業務に当てはまると考えてる人は少なくありません。私は、それが今から5年後か、10年後か分からないですが、確実に自分がまだ働ける年齢のうちに、AIに代わると感じていました。

 

専門的にパタンナーだけの仕事をしていては他に何もできなくなり、社会に必要とされない人材になるのです。仮にパタンナーとしての仕事をしながら、新しいことを学ぼうとしても圧倒的なパタンナーの業務量に対して、別の学習に時間と労力を当てることはとても難しいでしょう。

 

そのため、「パタンナー歴5年というキャリアを積んだあと、別の会社にパタンナーとして働くのか?」それとも「そこまでキャリアを積んだが新しく方向転換するか?」で人生が大きく変わります。

 

もちろん、パタンナーが好きで向上心があるなら確実に服の仕事を選ぶべきです。しかし、実際は給与や労働時間・将来の不安などが重なって「パタンナーに向いてない」と感じ、続けていける人は少ない気がします。

 

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まとめ

ここまでかなりネガティブなパタンナーとしての仕事の話をしてきましたが、 実際には、衣食住という言葉が存在するほど服というのは人類に必要なものです。そのため、その服を作れる仕事に就いているというのは大変光栄な事ですし、全てが悪だとは思いません。

 

しかし、ファストファッションの勢力の強さ・現代人がショッピングという娯楽から、動画を見たりする娯楽へシフトしている背景から服の必要優先度はどんどん低くなっています。 そのため、素直に上司の意見を聞いて、とりあえず5年という働き方をしていると、必ず苦しい思いをします。

 

そのため、時代背景をいつも考え「いつまでにパタンナーとしてどういうポジションにいるか?そしてそれが叶わなかったらどう修正するかを設計していくのか?」
しっかりと見定めた上で、パタンナー職を選択する人の考え方にするべきだと思います。

 

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